CREATE
ジーンズが生まれたのは1800年代後半。
炭坑夫や金坑夫など肉体労働者のための作業着として、
アメリカで誕生しました。
原点は、できるだけ安いコストで丈夫な物を作ろうという
実用性重視の発想にあった。
1940年代〜50年代になると、ハリウッド映画の影響も相まって、
ジーンズは若者を中心にファッションとして穿かれるようになります。
それが一般に定着してくると、商業製品として進化し始めたのです。
1960年代〜 80年代にはアメリカのみならず世界中に需要が拡大し、
大量生産により
均一化されていきました。
・・・しかし、その過程において何か忘れられていったものはないだろうか?
ジーンズにおけるベストクオリティーとはなんだろうか?
現在のジーンズの改良すべき点を追求していくと、答えはおのずと1940年代〜50年代に
見い出すことができます。
実用性とファッション性を兼ね備え、長く愛用できる物づくりが試されていた時代。
FULLCOUNTではそうしたジーンズ本来の良さを求め“物”としての価値を再構築したいと 考えています。
TEXTURE
FULLOUNTのジーンズで使用しているのは、
綿花の中でもハイクオリティーとして名高いジンバブエコットンを
使用しています。
ジンバブエコットンはアフリカの大自然の恵を受け、じっくりと大きく育てられています。すくすくと育った綿花を完全に開ききったところでひとつひとつ手摘みし綿カスなどの不純物を取り除きながら収穫しています。
繊維を傷つけないよう機械に頼らずほとんどの作業を人の手によって収穫した綿花は、細く均一な長さのものが収穫でき、一本一本の繊維長が長いことから超長綿と呼ばれています。
繊維長が細く長いため、継ぎ目の少ない余裕を持たせた甘撚りの細い丈夫なムラ糸を作ることができ、この糸のゆとりが軽さと、肌に柔らかく馴染むような伸縮性、汗を十分に吸収し排出する特性に繋がっています。
最高級の天然素材を100%使用しているからこそ、穿きやすくて耐久性に優れたジーンズが実現できたのです。
従来の”重くて固く”、穿きにくい”というジーンズのイメージや”重いほど丈夫”という
デニムの解釈が誤りだということは、原材料に立ち返って考えればクリアになるはずです。
SEWING
FULLCOUNTのジーンズは、デニム生地のみならず
縫製に使う糸までにこだわっています。
通常ジーンズに使われているのは、ポリエステルの糸。
ポリエステルは色落ちしにくいため、
デニム生地が色落ちしてもステッチだけは元の色のまま・・・
という状態になってしまします。
しかし、それでは味気ない。
ヴィンテージ・ジーンズのように、
やはり生地と糸の色合いが同じ様に朽ちていくのがベスト。
そこでFULLCOUNTでは、縫製糸にもコットンを使用しています。
そのため、デニム生地の色落ちしていくのと同じく、ステッチの色も落ちていきます。
特にバックポケットのデザインステッチは、朽ちてステッチがホツれるのも味のひとつ。
もちろん、だからといって耐久性が弱まってしまえば本末転倒。
結果、1本のジーンズに12種類もの糸を使い分けるに至っています。
特に破れやすい箇所には、通常、服の縫製では考えられないようなオリジナルの太い糸を使用しています。
太さに対応させるために、ミシン、針も特注。
古き良き時代のアメリカ”丈夫なものほど良い”とされていたようなジーンズを再現すべく、徹底したこだわりを縫製の糸、
それを使うミシン、針に至るまで反映させています。
その太いオリジナル糸を使って絶妙なステッチのラインを生み出しているのは熟練した職人の手。
画一的なラインではない、味わい深いステッチラインを再現しています。
一見無駄なことのように思われるかもしれないが、こうした細部までこだわるからこそジーンズ本来の良さが生まれてくる。
それはFULLCOUNTのジーンズを穿けば穿くほど、実感していただけると思います。
SILHOUETTE
穿く人の体型によってシルエットが変化していく・・・。
それは、他の服では見られないジーンズの特性です。
だからこそ愛着が湧き、長く穿き続けたいと思うもの。
しかし、大量生産されたジーンズは退化するのが早く、綿糸をピンと張った状態で織られた生地は、一度伸びると戻りにくいのです。
FULLCOUNTでは綿本来の弾力性を損なわないようにするために、
防縮加工を施していません。
もともと綿が持っている伸縮ポテンシャルを100%引き出すことで、より丈夫でより伸縮性の高いジーンズ提供しています。
そのため、ジャストサイズでジーンズを穿こうと思う人には、購入する際に少々きつめのサイズをお薦めしております。
高級な革靴が履けば履くほど足にフィットしていくように、FULLCOUNTのジーンズも穿けば穿くほど変わっていくからです。
さらに防縮加工を施していないために、最初の洗濯で丈が約8センチほど縮みます。
これは”綿は縮むもの・・・”という観点から見れば当然のこと。
また、繊維物は本来縮みながらねじれていくものです。
そのため、1940年代〜 50年代のヴィンテージ・ジーンズを見れば、横のステッチにズレが生じています。
綿のねじれを防ぐことは簡単ですが、FULLCOUNTでは敢えてそのねじれも味としてとらえています。
着心地、耐久性、吸収性などを第一に追求しているからこそ、結果的に生じてくるねじれ。
それはクオリティーの高さを物語る何よりの証拠なのです。